引っ越しの予定が決まっている方で、部屋の荷物が片付かずに焦りを感じている方もおられるのではないでしょうか。引っ越しの準備を進める際は、片付けの注意点やコツを理解しておくことが大切です。
本記事では、引っ越し当日に荷物が片付かない場合の対処法や引っ越しに向けた片付けの流れ、荷物を片付けるためのコツについて解説します。また、引っ越しで部屋を片付ける際の注意点についても解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
引っ越しまでに荷物が片付かない場合はどうなる?
引っ越し業者は、「標準引越運送約款」に基づいて、荷造りが完了していない場合には作業を拒否する権利を持っています。一般的に7〜8割の荷物が梱包されていれば業者は協力を惜しまないものの、完全なサービスを受けるには追加料金が必要です。
また、引っ越しの繁忙期である春先は業者のスケジュールも非常に忙しく、日程が変更になるケースも少なくありません。荷造りがまったく進んでいない場合、契約不履行とみなされるリスクもあるため、計画的に荷造りを進めましょう。
引っ越し当日に荷物が片付かない場合の対処法は3つ
次は、引っ越し当日に荷物が片付かない場合の対処法について解説します。
- 事前に業者に相談する
- 後から宅配便で送る
- 車で運ぶ
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.事前に業者に相談する
引っ越し数日前の最終確認の際に、業者は準備の進行状況も尋ねます。このタイミングで、荷物の準備が間に合わない可能性がある旨を伝えましょう。
その結果、引っ越し業者は追加の作業員を手配するなど、適切な対策を講じてくれる可能性があります。このように、追加料金の発生は覚悟し、円滑な引っ越しを実現するための協力を求めるようにしましょう。
2.後から宅配便で送る
家具や家電などの大きな荷物と既に梱包が完了している段ボールは引っ越し業者が運び、残った荷物は宅配便で新居に送ります。この対応により、引っ越し業者への負担を軽減し、自身も安心して移動することが可能です。
ただし、荷物の量によっては、宅配便の費用が高額になる点も考慮しなければなりません。数個なら問題ありませんが、10個以上になると費用が大きくなります。特に引っ越し先が遠方の場合は、料金がさらに上昇するため、事前の見積もりを取りましょう。
3.車で運ぶ
自家用車で荷物が収まる範囲であれば、簡単に運べます。しかし、荷物が多くて自家用車に収まりきらないときは、レンタカーを利用するのも選択肢のひとつです。
普通免許では運転できない2tトラックの代わりに、ライトバンをレンタルする方法もあります。このサイズなら大きめの段ボールでも5〜6箱程度は容易に積み込めます。このように、自力で運ぶ際は、荷物の安全確保と運転に必要な条件を再確認しておきましょう。
引っ越しに向けた片付けの流れは3ステップ
次に、引っ越しに向けた片付けの流れについて解説します。
- ステップ1.必要なものと不用品をわける
- ステップ2.不用品を処分する
- ステップ3.必要なものを段ボールに詰める
それぞれについて詳しくみていきましょう。
ステップ1.必要なものと不用品をわける
新居で使われる予定のものと処分するものを明確にすると、整理作業がスムーズに進みます。この作業を怠ると、後で「何を捨てるべきか、何を持って行くべきか」の判断に迷いが生じ、片付け作業が停滞しかねません。
また、処分する予定の不用品を「面倒だから」という理由で新居に持っていくのはやめましょう。新居でも同じように「片付けられない」という問題に直面します。
新居での生活を快適にするためにも、引っ越し前にはしっかりと不用品を整理し、必要ないものは思い切って手放してください。
ステップ2.不用品を処分する
引っ越しに向けた片付けで不用品を処分する方法については以下のとおりです。
- 自治体指定の業者に依頼する
自治体指定の粗大ごみ回収業者に依頼し、品目ごとに定められた回収料金を事前に確認する
- リサイクルショップに売却する
まだ使える物はリサイクルショップに売却すると便利。多種多様な不用品を一度に買い取ってもらえる
- フリマアプリやネットオークションを利用する
自分で価格を設定して不用品を売ることができるが、必ずしも売れるわけではないため、購入者との交渉や発送作業の手間がかかる
- 友人や知人に譲る
不用品が欲しい人がいれば譲ることができるが、大型の家具や家電の運搬費用に注意が必要。送料をどちらが負担するか事前に決めておくのが望ましい
エアコンやテレビなど一部の電化製品はリサイクルが法律で定められています。処分にはリサイクル料金や運搬料金がかかるため、これらの費用を事前に確認しておきましょう。
ステップ3.必要なものを段ボールに詰める
新居に持っていくものと不用品を分類し、不要なものは事前に処分します。その後、新居へ持っていくものを段ボールに丁寧に詰めていきます。
詰める際には、「本当に必要か」と自問自答し、不要と感じたものは迷わず処分しましょう。これにより、新居での整理整頓が容易になり、余計なものに悩む必要がありません。
また、段ボールに詰める際は、カテゴリーごとにまとめて詰めるのがポイントです。たとえば、キッチン用品や衣類、書類など、同じ種類のアイテムを一緒に詰めるとスムーズです。
引っ越し前の荷物が片付かない人が片付けるためのコツは3つ
次に、引っ越し前の荷物が片付かない人が片付けるためのコツについて解説します。
- 断捨離を心がける
- 家族や友人を頼る
- 業者に依頼する
それぞれについて詳しくみていきましょう。
1.断捨離を心がける
断捨離とは、不要なものを思い切って手放し、ものへの執着を捨てる行為です。特に、「これは将来使うかもしれない」とか「これは思い出の品だ」と考えがちな人は、断捨離を通じてものに対する見方を変える必要があります。
断捨離すると、本当に必要なものだけを新居へ持っていくことができ、引っ越しの荷物を効率的に減らせます。これにより、新居でものが溜まるのを未然に防ぎ、すっきりとした生活空間を保つことが可能です。
2.家族や友人を頼る
自分だけで悩むよりも、周りの人々に相談して協力を得ることにより、さまざまな解決策がみえてきます。特に、大量の荷物や粗大ごみの処理は1人では難しいケースも多いです。
ほかの人の意見を取り入れると、新たな片付けのアイディアが浮かぶ可能性もあります。また、作業を分担することで、全体の労力と時間が大幅に削減されます。
3.業者に依頼する
ゴミ屋敷の片付け業者は、大量のゴミや不用品がある場合に非常に役立ちます。テレビでみるような極端なケースでなくとも、一般的な引っ越し準備でもサービスを利用できます。
たとえば、引っ越しに際して部屋の隅々まできれいにしたいと考えている方や、手に負えない量の荷物を整理したい方にはおすすめです。また、片付け業者は、依頼から最短即日で対応可能なケースもあるため、急ぎの場合にもおすすめです。
引っ越しで部屋を片付ける際の注意点
次に、引っ越しで部屋を片付ける際の注意点について解説します。
- ごみ捨てのルールを守る
- 取り扱い注意の段ボールをわかるようにする
それぞれについて詳しくみていきましょう。
1.ごみ捨てのルールを守る
それぞれの自治体や物件によって、ゴミの出し方にはルールが設けられているため、可燃ゴミと不燃ゴミ、リサイクル可能なプラスチックなどの分別が求められます。自治体のホームページや配布されているパンフレットを事前に確認し、正しく守るようにしましょう。
また、一度に大量のゴミを出すことは、ほかの住民に迷惑をかける原因となる可能性があります。そのため、引っ越しに向けて計画的にゴミを出すよう心がけ、できるだけ迷惑がかからないように配慮してください。
2.取り扱い注意の段ボールをわかるようにする
段ボールは外見では中身が判別できないため、どの箱に何が入っているか一目で確認できるようにしましょう。特に、割れ物などの取り扱いに注意が必要なアイテムが含まれている場合、側面に目立つ色で「割れ物注意」などと大きく書き加えるのがおすすめです。
これにより、引っ越し作業員も慎重に取り扱いできます。また、段ボールに中身を記載しておけば、引っ越し後の荷解き作業も効率的になります。
引っ越しが片付かないでよくある3つの質問
最後に、引っ越しが片付かないでよくある質問を紹介します。
- 質問1.旧居のご近所には挨拶するべき?
- 質問2.引っ越し前の注意点は?
- 質問3.引っ越し当日の注意点は?
それぞれについて詳しくみていきましょう。
質問1.旧居のご近所には挨拶するべき?
昨今では、地域社会の関係性が希薄になっていますが、引っ越し作業が原因でご近所に迷惑をかける可能性はゼロではありません。たとえば、大型トラックの出入りや騒音、荷物の運搬などが原因で、不快感を与える可能性があります。
そこで、事前に挨拶しておくと、「今日は〇〇さんが引っ越しをするのだな」と理解してもらうことができ、予期せぬ苦情やトラブルの防止につながります。また、挨拶を通じてゴミ出しのルールや駐車スペースの使用について協力を得られるかもしれません。
なお、引っ越し挨拶の適切なタイミングについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:引っ越し挨拶の適切なタイミングとは?挨拶が必要な範囲や大切なマナーについて詳しく解説します!
質問2.引っ越し前の注意点は?
引っ越し前に注意すべきポイントは、以下のとおりです。
- 部屋の最終チェックを徹底する
引っ越し前には、見落としがちなベランダや押入れを含むすべての収納スペースを確認し、荷物が残っていないかチェックする。また、部屋の傷や汚れを確認する
- スマートフォンの充電を確保する
引っ越し当日は電気やガス、水道の停止手続きや管理会社への連絡が必要になるため、スマートフォンのバッテリー切れに注意し、モバイルバッテリーを準備する
- 重要な書類と鍵の管理を確実にする
退去時に提出する鍵や書類を荷物とは別に保管し、失くさないように注意する
- 引っ越し当日の流れを把握する
搬出・搬入の時間を確認し、引っ越し業者とのコミュニケーションを取りながら、スムーズな作業進行をサポートする
質問3.引っ越し当日の注意点は?
引っ越し当日の注意点として、以下に注意してください。
- 段取りの確認
引っ越しスタッフが到着した際に、作業内容をしっかり確認する。特に、注意して運んでもらいたい荷物がある場合は、この時点で伝えておく
- 引っ越しと掃除の同時進行
引っ越し当日、大型の家具や家電が移動した後は、隠れていたホコリを掃除する良い機会となる。荷物の搬出後、部屋の隅々まで仕上げの掃除を実施する
- 公共料金の最終精算
引っ越し時には、最後の検針日から当日までの公共料金を日割りで計算し、支払う必要がある。支払い方法によっては、当日に集金人が訪れることもあるため、準備をしておく
まとめ
本記事では、引っ越し当日に荷物が片付かない場合の対処法や引っ越しに向けた片付けの流れ、荷物を片付けるためのコツ、引っ越しで部屋を片付ける際の注意点について解説しました。
引っ越し業者は「標準引越運送約款」により、荷造りが完了していない場合に作業を拒否する権利があります。そのため、引っ越しが決まったら、計画的に荷造りを進めるようにしましょう。
もし、片付けがスムーズに進まない場合は、家族や友人に協力を依頼したり、片付け業者へ依頼する方法がおすすめです。また、引っ越しで発生する不用品については、それぞれの自治体のルールを守り、適切に廃棄するようにしましょう。